2012年11月29日木曜日

HEXAGON - レビュー

諸君らは電子ドラッグというものを使ったことがあるだろうか。大半の人が使ったことが無いと思われる。当然私も使ったことはない。
では、我々の考える電子ドラッグとは一体どのようなものなのだろうか。その答えの一つがここにある。---HEXAGON だ。
おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。--フリードリヒ・ニーチェ
このゲームは迫り来る壁をかいくぐり、どれだけ長く続けられるかという至極単純明快なルールだ。しかし難易度は非常に高く、ゲームオーバーになろうとも一瞬で再スタートすることのできる、言わば"死にゲー"というカテゴリーに充てられるだろう。だがはたしてこのゲームのゲームオーバーとは"死"なのだろうか。私はこのゲームを繰り返しプレイしていくうちに、様々な疑問が浮き上がってきた。

---このゲームのプレイヤー(▲)とは一体何者なのか。
---▲は一体どこへ向かうのだろうか。
---なぜ▲は六角形に捕らわれているのだろうか。
---なぜ私はこのゲームをプレイしているのだろうか。

この記事を読んでいる貴方も繰り返しこのゲームをプレイしていくうちに様々な疑問、感情が浮かび上がり、そして消えていくだろう。そうした解消されない疑問、GAME OVER, BEGIN、という機械的な音声、サイバーでサイケデリックな音楽、これらが組み合わさりプレイヤーの意識はふわふわした領域へと到達する。もうすでに貴方の意識はこのゲームに捕らわれているのだ。

一つの解釈ではあるが、▲とは我々の意識の象徴なのではないだろうか、"意識の解放"それがこのゲームの目的であり、HEXAGONに捕らわれた我々の意識を解放するためのゲーム。
あの時間を越えることができたら私は解放されるのではないか。そう考えプレイするうちに更に深みへと沈んでゆく。げに恐ろしき六角形の世界よ。

私はこのゲームをLv6まで行き、表面的にはクリアに至ることができたが、未だこのゲームに意識を少なからず捕らわれているままであると感じている。

果たしてこの先の更に深いところまで行けば意識を取り戻すことができるのだろうか…?
答えは深く暗い六角形の先にあるはずだ---。

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